情報の賞味期限

また更新が滞ってしまいました。アクセス数を伸ばすには、まめな更新が欠かせませんよね。書く練習のためにも時間という負荷をかけるべきでしょうか。ツイッターに走り書きしたもののうち、時間で淘汰されにくそうなものをまとめてまた掲載しようと思います。

刻々と変化する状況に対して、情報も更新し続けていかないとかえって弊害を生みかねませんね。

石巻市ボランティアセンターからのお知らせ
http://msv3151.c-bosai.jp/group.php?gid=10163

こまめな更新が必要な情報、しばらくは更新の必要のない情報、あるいは時代を超えて普遍的な情報、それぞれ情報には賞味期限ってのがあります。それは決してその情報の価値とはリンクしませんが、その射程を意識しながら情報を活用するのは大事なことだとおもいます。



先日、スポアートサポートかんさい主催の関西支援団体交流会に参加してきました。

関西で活動する支援者の情報交換と相互交流が目的で、団体さんたちが交代でプレゼンをして、その後立食パーティーをしながら交流を深めるというものでした。僕も色々と得るものがありました。

出会った団体さんたちを紹介していきます。プレゼン内容のメモと僕の主観によるものなので、誤解などがあるかもしれません。詳細は各団体のHPなどをご覧になるなど確認をお願いします。また、お話を聞きながら僕の頭に浮かんだことなども書いていきます。



市営住宅見守りプロジェクトLINK

独居高齢者の孤独死の予防・早期発見を目標としていらっしゃる兵庫の団体さんです。東日本大震災では、避難世帯の方に市と連携をはかって市営住宅へ移り住んでもらう手伝いをしていらっしゃるそうです。公式サイトは見つかりませんでしたが、当日お話をしてくださった方のブログはありました。

印象的だったのは、「避難所から仮設住宅などへの移転が事務的・機械的に行われてしまうことによって地域のコミュニティー・共同体のつながりが弱められたり壊されたりしてしまう」というご意見でした。特に阪神大震災以後の反省にからめてのお話には非常に興味深いものでした。

避難所から仮設住宅などへの移転が進みにくい理由のひとつは支援が打ち切られて経済的自立を迫られること、もうひとつはコミュニティーがバラバラにされてしまうことへの抵抗が大きいことなのだそうです。

ただし、これについて行政を冷たいとかお役所主義といって批判する人もいますが、僕はそれは少し違うと思うのです。コミュニティーのすべてを維持して他の地域に移すというのは、費用や用地の問題をクリアしても不可能です。ひとつの町を丸々切り取ることができたとしても、その町はその町だけで成り立っているわけではなく、近隣の町と何らかのかかわりを持っている。同じ学校の仲間は隣町から来ているかもしれないし、商売の得意先も然り。すると隣町も一緒に移さなきゃいけなくなって、そのまた隣も…、というように特定の部分だけ移転させて共同体を維持するというのはそもそも無理な話なのです。ミクロに見てもことは同じ。しかし、ある程度希望をとることはできないかとは思いますが、仕組みを知らないので無責任なことは言えませんので、これについては担当者に尋ねるしかありません。

津波放射能による避難世帯の方たちはもう故郷に戻って住むことが出来なくなるかもしれない。だからこそ、移住させるのであればその後のケアや支援も含めて考えないといけない。ここに、僕達の出来ることがあるのではないでしょうか。

当日お話をしてくださった方は、フェアトレード団体でも活動していらっしゃいます。
http://ftsn-kansai.jimdo.com/

僕自身はフェアトレードについて特に詳しいわけでも熱心に活動したわけでもありませんが、昔呼んだ関係する本として『「エコ罪びと」の告白』(by フレッド・ピアス)を紹介しておきます。著者が自分の身につけている・あるいは消費しているものがどこから来るのかを追跡・調査した内容が詰まっています。自分の着ている服、食べている物の根っこを想像することから、始めてみてください。



・HOPE FOR JAPAN

http://hopefor-japan.org/

イエローバンドの普及を通じての支援を展開していらっしゃいます。もともと社会人の団体なのですが、学生の間に広める活動は学生団体が中心となって行っているそうです。今回も学生のメンバーがプレゼンに来ていました。400円でイエローバンドをひとつ受け取ることができます。そのうち27円の原価と13円ほどの経費(領収書郵送代などで、団体の運営費ではないとのことです)を差し引いて、8割、場合によっては9割以上を寄付する、という仕組みです。

こういう支援の仕方に、売名だとか偽善とか、非効率のレッテルを貼って非難する人がいますが、僕はステッカー・缶バッジ・Tシャツ・ストラップ等なんでも、そういったグッズは効果的であると思っています。もちろん経費の分だけ同額の寄付を直接行うよりも金額は目減りしてしまうのですが、グッズだからこそできることもあります。
まず、グッズを通して寄付を掘り出すことが出来れば、ゼロから有を作り出せたことになるので、それだけで意義がある。これはグッズに限らず、ひとつで○円寄付しますみたいな食品や飲料水などでも同じことで、無いものを掘り起こしたり付加価値を乗せたりするやり方も「あっていい」ですよね。
もうひとつは、目に見える形に残るので寄付した人に「あ、そういえば俺これ買ったんだ。そういや最近被災地のこと忘れてたな」とある種のリマインダーとして機能し、長期的支援の精神的な下地になれる。そして、「え?何そのリストバンド(or Tシャツ、バッジなど)」という友人が一人でもいれば、輪が広がっていくきっかけになりうる。広報と支援が同時に行えるということですね。

この団体の方とは色々と面白いお話ができました。共感というか、すごくいいなと思ったのは
(1)グッズ販売系の支援をするにあたって、そのお金の透明性を徹底している
(2)支援先についても仔細に吟味している
という点です。

ちょっと前にLadyGagaのリストバンドが運送費を水増し着服していたとして米の弁護士に訴えられるなんて事件がありました。僕が調べた限りにおいて公判の続報はありません。なのでまだ判断は留保しておいてくださいね。ただ、チャリティグッズ販売では代金の100%が支援先に届くなんてそもそも有り得ないということです。もし起訴内容が事実ならばもちろん非難も当然なのですが、僕らの側も寄付の方法を考えなければいけないことの好例でしょう。(参考 http://www.huffingtonpost.com/tom-murphy/learning-from-lady-gagas-_b_887794.html)
※上記のリンクは英語です。多分似たようなことはどこかに日本語でもあると思いますが…。すみません。


(2)の支援の方法についても、どこかに丸投げして終わりではなく、運営委員の方が自分たちで支援先を選択するというスタンスは非常に良いと思います。

TeamZEROの活動で鴇明浩さんにお話を伺ったときも、寄付先を吟味するという習慣がまだ日本には根付いていない、お金を効果的に使ってほしいなら自力で寄付先を見直すべきだ、とおっしゃっていました。使われ方、団体の理念、目標などをもとに、自分のお金を何処に預けるのかを検討するのは、消費生活の場では基本的なことのはずですよね。買い物するときは、品質や価格などをもとに判断するのに、寄付先については何も考えない、というのは変ですよね。

あ、ちなみに僕は赤十字がだめだとか言ってるわけではないです。
日赤の公式サイトでは現時点で約2800億円の受付のうち1330億が配布対象者に行き渡ったそうです。(http://www.jrc.or.jp/contribution/l3/Vcms3_00002096.html 2011/8/13閲覧)
これは厚生労働省の文書です。義援金の分配については迅速さや透明性などで一時議論が起こりましたが、その総括もしなければいけませんね。(http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/dl/gienkin_0805_01.pdf)

ただ、朝日新聞の6月上旬の記事では(すみません正確な日は忘れました)、たしか10%か15%かしか行き渡っていないとの報道もありました。計算の仕方とタイムラグの問題であると思うのですが…詳しく調べる必要がありますね。

義援金の分配が迅速かつ公正に行われたとしても、経済が回り雇用が生まれないことには、自立をすることはできません。しかし経済を回すには消費の元手がいる。そのためにも義援金は不可欠だと思うのですが、それだけではない、ということも頭に入れながら寄付先を考えたいものです。ある意味ニワトリが先かタマゴが先かですね。ならば、両方やるしかないのかも。



・YOUTH FOR 3.11

http://youthfor311.jimdo.com/

日本最大の学生派遣団体です。被災地へボランティアの人手を多数・効率的・複数回・長期的に送ることを目指していらっしゃいます。先日、立命館衣笠キャンパスでの発表会にも参加させていただきましたが、その規模の大きさは学生企画の枠を超えているというか、非常にパワーのある団体さんです。

僕の同級生の女の子も、この団体を通じたプロジェクトで長期間被災地に入り活動しているそうです。ちょっと尊敬。

人手が今どれくらい必要なのか、自分も言ってみたいが仕事はあるのか、何が出来るのかなど、何かしたい気持ちを持った人が知りたいことはいくらでもあるでしょう。そのためには、現場で動いてる人・つい最近まで現場にいた人に聞くのが一番だと思います(無責任でごめんなさい)。大学生なら、近くに必ず誰かいます。これは更新が必要な情報の類でしょう。

パソコンで手に入る情報は、誰でも手に入る情報。それ以外がほしかったら、自分の足で探すしかないのは今も昔も変わらないのでしょうね。


・スポアートサポートかんさい

http://ameblo.jp/saskansai/

大学の先輩がメンバーに入っていて、僕も仙台でお世話になりました。ネットワーク宮城という団体のサポートをしていらっしゃいます。交流会を主催してくださいました。おそらく今後も、お世話になります。
夏休みの間も毎週金曜日からのボランティアツアーを提供しているようなので、興味のある方はチェックしてみてください。来年の3月まで継続する予定だそうです。行政とは距離おいて、子ども達と食べ物に焦点をあてた支援をされています。



かなり長くなりました。すみません後半に向かってバテました。僕の弱い頭と狭い視野じゃ、この日出会った精力的に活動していらっしゃる団体さんたちのすべてを紹介しきることはできません。しかし、すこしでも広めたいのです。これからは、TeamZEROでもそういった活動をしていきたいと思っています。

勉強も音楽もやりたいことは山ほどありますが、一つ一つを大切に一生懸命やっていきます。